セリーヌ・サレット
(エリザ)
Céline Sallette
1980年4月25日、フランス・ボルドー生まれ。バカロレアを取得後、ボルドー・モンテーニュ大学で演劇を学ぶ。 卒業後、フランス南西部を拠点にするプティ・テアトル・ドゥ・パン一座に加わって演じるようになり、
そこで演出家のロラン・ラファルグと出会い、1999年、彼の演出でシェイクスピアの『オセロ』と『真夏の夜の夢』を下敷きにした二部作「Nos
nuits auront raison de nos jours」の舞台に立つ。 2002年にはアリアーヌ・ムヌーシュキンのもとでテアトル・デュ・ソレイユの研修生となり、
続いてパリの国立高等演劇学院へ。 そこでさらに演技に磨きをかけ(磨きをかけた教師のひとりにフィリップ・ガレルがいた)、2005年、ガレルの『恋人たちの失われた革命』で映画デビュー。以降、ソフィア・コッポラ監督『マリー・アントワネット』(06)、
アルフレッド・ロット監督『スマイルコレクター』(07/V)、パスカル・ボニゼール監督『華麗なるアリバイ』(08)、クリント・イーストウッド監督『ヒアアフター』(10)など注目作に続けざまに出演。
2011年、ベルトラン・ボネロ監督『メゾン ある娼館の記憶』で第37回セザール賞有望女優賞にノミネートされる。
同作品で共演したアデル・エネルと共に2012年度のリュミエール賞最優秀新人女優賞を受賞し、有望な若手女優に与えられるロミー・シュナイダー賞も手にする。
その後も、ガレル監督『灼熱の肌』(11)、クリストフ・ルッジア監督『デスパレード』(11/TV)、 ジャック・オディアール監督『君と歩く世界』(12)、
コスタ=ガヴラス監督『ザ・キャピタル マネーにとりつかれた男』(12/TV)、 ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ監督「Un château en Italie」(13)、 フランソワ・デュペロン監督『魂を治す男』(13/F)、2014年、
カンヌ国際映画祭特別招待作品のトニー・ガトリフ監督『ジェロニモ -愛と灼熱のリズム』(14)、 セドリック・ヒメネス監督『フレンチ・コネクション-史上最強の麻薬戦争-』(14/F)、
セドリック・カーン監督『ワイルド・ライフ』(14/F)に出演。 なかでも、『灼熱の肌』での繊細なタッチの演技、そして『ジェロニモ』でのワイルドな演技が印象に残る。
そのほか、フランスの人気TVシリーズ「Les Revenants」のレギュラーとしても活躍。
アンヌ・ブノワ
(アネット)
Anne Benoît
ヴェルサイユの高等演劇学院においてマルセル・タサンクールのもとで学んだ後、 パリ国立シャイヨー劇場で、アントワーヌ・ヴィテーズやオーレリアン・ルコワン等のワークショップに参加。
舞台を中心に、映画とテレビの双方で活躍している。 舞台では、ヴィテーズの演出による[ルクレチア・ボルジア][繻子の靴]を皮切りに、ソフィー・ルカシェフスキー、
アラン・フランソンらの演出作品で活躍。 また映画では、ニコール・ガルシア監督の「L'Adversaire」(02)を手始めに、
ディアーヌ・ベルトラン監督『薬指の標本』(05)、ステファヌ・ブリゼ監督『愛されるために、ここにいる』(05)、第32回セザール賞5部門受賞のパスカル・フェラン監督『レディ・チャタレー』(06)、
セドリック・クラピッシュ監督『PARIS(パリ)』(08)など、 さまざまな作品で主に脇役として要所を締める演技を披露。
コメディ系の作品よりもアート系の作品を得意としており、一目で彼女と分かる存在感が目を引く。 なかでも、第35回セザール賞で作品賞ほか最多7部門を受賞したマルタン・プロヴォ監督『セラフィーヌの庭』(08)やブノワ・ジャコー監督『マリー・アントワネットに別れをつげて』(12)での演技は印象に残るところ。
その他、マチュー・アマルリック監督『さすらいの女神(ディーバ)たち』(10)、 ローズ・ボッシュ監督『黄色い星の子供たち』(10)、
ファビアンヌ・ベルトー監督『晴れ、ときどきリリー』(10/DVD)、モーリス・バルテルミ監督『ロー・コスト~LCCの逆襲~』(11/DVD)、
エヴァ・イオネスコ監督『ヴィオレッタ』(11)、パヴェウ・パヴリコフスキ監督『イリュージョン』(11/DVD)、
マルク・フィトゥシ監督『探偵ポーリーヌ』(12/F)、アルノー・デプレシャン監督『あの頃エッフェル塔の下で』(15)等に出演。
ルイ=ド・ドゥ・ランクザン
(アレックス)
Louis-Do de Lencquesaing
1963年12月25日パリ生まれ。舞台演出家・役者・映画監督。 ペリモニー演劇コースで学び、舞台役者としてのキャリアをスタート。
アンドレ・アンジェル演出のゲオルク・ビューヒナー作[ヴォイツェック](92)など多くの舞台に出演、自らも多数の舞台演出を手がけている。
クロード・シャブロル監督『ボヴァリー夫人』(91)で劇場用長編映画に初出演。 それに前後してアルノー・デプレシャン監督『二十歳の死』(91)、『魂を救え!』(92)に出演。
続いて、ジャン=リュック・ゴダール監督『ゴダールの訣別』(93)、 オリヴィエ・アサイヤス監督『感傷的な運命』(00)、ジョゼ・ダヤン監督『デュラス
愛の最終楽章』(01)、 ミヒャエル・ハネケ監督『隠された記憶』(05)、諏訪敦彦監督『不完全なふたり』(05)等に出演。
そして、2006年、イジルド・ル・ベスコの愛人を演じたブノワ・ジャコー監督「L’intouchable」で広くその名を知られることとなった。
2009年、第62回カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門審査員特別賞受賞作、 ミア・ハンセン=ラヴ監督『あの夏の子供たち』に出演。他に、ジャック・ドワイヨン監督『三人の結婚』(10/F)、
マイウェン監督『パリ警視庁:未成年保護特別部隊』(11/TV)、 ベルトラン・ボネロ監督『メゾンある娼館の記憶』(11)、エヴァ・イオネスコ監督『ヴィオレッタ』(11)、
マルゴスカ・シュモウスカ監督『ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー』(11/ TV)等。 自ら初めて監督した劇場用長編映画「Au galop」(11)は第65回カンヌ国際映画祭批評家週間に正式招待。
近年の出演作としては、グザヴィエ・ジャノリ監督『ある朝突然、スーパースター』(12)、
ニコラ・サーダ監督「Taj Mahal」(15)、アレクサンドル・ソクーロフ監督「Francofonia」(15)等。
フランソワーズ・ルブラン
(ルネ)
Françoise Lebrun
1944年生まれ。政界人、財界人を数多く輩出していることでも知られるパリ政治学院で学んだ才媛。
ジャン・ユスタシュとの出会いを通じて映画の世界にかかわるようになり、
ユスタシュとの協働によって短編映画の制作に着手する。
その後、ふたりは別れるが、第26回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞したユスタシュ監督の『ママと娼婦』(73)のヴェロニカ役として初めてカメラの前で演じる。これをきっかけにして女優としての活動を始め、
なかでもポール・ヴェキアリ作品を中心に活躍。
主な出演作に、マルグリット・デュラス監督『インディア・ソング』(74)(声のみの出演)、
アンドレ・テシネ監督『フランスでの思い出』(75)、
シャルロット・デュブルイユ監督『愛の翼/マ・シェリ』(80)、
ポール・ヴェキアリ監督『薔薇のようなローザ』(85/V)、
『どうか温かいお気持ちを』(04/F)、
リュカ・ベルヴォー監督『男と女と男』(96)、
ジュリアン・シュナーベル監督の第80回アカデミー賞4部門ノミネート作『潜水服は蝶の夢を見る』(07)、
マルタン・プロヴォ監督『セラフィーヌの庭』(08)、
ドゥニ・デルクール監督「Demain dès l'aube」(09)、
ノーラ・エフロン監督『ジュリー&ジュリア』(09)、
ピエール・クルトン監督のドキュメンタリー『マニケヴィル』(10/F)、
クリスチャン・E・クリスチャンセン監督『エージェント ID:A』(11/DVD)、
アルノー・デプレシャン監督『あの頃エッフェル塔の下で』(15)など。
自身が監督し出演したドキュメンタリー映画に「Crazy Quilt」(11)がある。
エリエス・アギス
(ノエ)
Elyes Aguis
2013年のアスガー・ファルハディ監督『ある過去の行方』のフォアド役(タハール・ラヒミが演じたサミールの息子)で一躍、注目された子役俳優。
他に、エリック・ギラ&ケレン・マルシアノ監督のテレビドキュメンタリー
「Quand j'etais petit, je serai acteur」(13)に出演。