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アラン・レネ
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 数々の名作、話題作、意欲作を発表し続けたフランスの巨匠。 「カイエ・デュ・シネマ」誌の批評家から映画監督としてデビューしたゴダールやトリュフォーら、いわゆる「ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家たち」と区別して、アニエス・ヴァルダ、クリス・マルケルら、ドキュメンタリー(記録映画)出身の監督たちとともに、「左岸派」と呼ばれたりもする。

 1922年6月3日、フランスのブルターニュ地方ヴァンヌで生まれる。1946年、パリで編集技師としてキャリアをスタート。短編ドキュメンタリー『ヴァン・ゴッホ』(48)は、米国アカデミー賞 短編映画賞を受賞。続いて、『ゲルニカ』(50)、『ゴーギャン』(50)を発表。アウシュヴィッツ強制収容所を初めてとらえたドキュメンタリー『夜と霧』(55)はセンセーションを呼び、国際的にアラン・レネの名を知らしめた。マルグリット・デュラスとの出会いから生まれた初長編『二十四時間の情事』(ヒロシマ・モナムール)(59)は、カンヌ国際映画祭からは「政治的理由」により退けられたが、ジャーナリストや批評家からは絶賛され、数々の賞を得た。

 1961年の『去年マリエンバートで』は、審美的で難解とされながら、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。ジャン=ポール・ベルモンドを主演に迎えた『薔薇のスタビスキー』(74)で商業的成功を収める。『プロビデンス』(77)はセザール賞7部門で受賞。『アメリカの伯父さん』(80)は、カンヌ国際映画祭でグランプリと国際批評家連盟賞を受賞した。 1983年の『人生は小説なり』では、サビーヌ・アゼマとアンドレ・デュソリエが初参加。この頃より、アンサンブル劇を好むようになり、『メロ』(86)はじめ戯曲を原作とする作品がふえた。また台詞を歌詞に託した『恋するシャンソン』(97)は、レネ最大のヒットとなった。

 遺作『愛して飲んで歌って』(14)は、レネ91歳の作品で、2014年のベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品され、アルフレッド・バウアー賞を受賞。映画芸術に新しい視野をもたらした作品に贈られる同賞は、通常、若手監督が対象となっており、ベテランの監督に授与されるのは極めて異例。年を重ねても、常に新境地を開拓し続けてきたレネに対する最高の賛辞となった。
 2014年3月1日、ベルリン国際映画祭の閉幕からわずか2週間後、パリ市内で死去。
●監督作(一部)
1955 夜と霧
1959 二十四時間の情事
1961 去年マリエンバートで
1963 ミュリエル
1966 戦争は終った
1974 薔薇のスタビスキー
1977 プロビデンス
1980 アメリカの伯父さん
1986 メロ
1989 お家に帰りたい
1993 スモーキング/ノースモーキング
1997 恋するシャンソン
2003 巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)
2006 六つの心
2009 風にそよぐ草
2014 愛して飲んで歌って