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[監督・脚本] ルキーノ・ヴィスコンティ
 1906年11月2日イタリア、ミラノ生まれ。イタリア有数の名門貴族の家系。ジャン・ルノワールの助監督を務めたあと、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で監督デビュー。ネオリアリズモの先駆的作品と注目される。
 シリチアの漁民たちを起用した映像叙事詩『揺れる大地 海の挿話』(48)でヴェネツィア映画祭の国際賞を受賞。54年には大作『夏の嵐』で堂々たる監督作品を発表。57年にはドストエフスキー原作『白夜』を映画化。60年はアラン・ドロンを迎えた『若者のすべて』で南部の労働移民の悲劇を描いて絶賛され、ヴェネツィア映画祭審査員特別賞を受賞。62年は『ボッカチオ'70』の挿話でロミー・シュナイダーを主演に起用。63年は『山猫』をカンヌ映画祭に出品し、その圧倒的な出来映えによりグランプリを獲得。65年はクラウディア・カルディナーレ主演『熊座の淡き星影』でヴェネツィア映画祭金獅子賞を受賞。67年はマストロヤンニ主演でカミュ原作『異邦人』を完全映画化。 この後、「ドイツ三部作」に取りかかり、69年はナチス政権とユダヤ系鉄鋼財閥の大家族の悲劇を衝撃的に描いた『地獄に堕ちた勇者ども』でアカデミー賞脚本賞にノミネート。71年はトーマス・マンの小説を作曲家マーラーに置き換えた『ベニスに死す』でカンヌ映画祭25回記念大賞を受賞。73年はバイエルン国王の謎の死までを壮大に描いた大作『ルートヴィヒ 神々の黄昏』を完成させる。74年は再びバート・ランカスターを主演に『家族の肖像』に取り組み、続いてダンヌツィオの小説を元に『イノセント』(76)を完成させ、76年3月17日、ローマの自宅で逝去。


バート・ランカスター [サリーナ公爵]
 1913年11月2日ニューヨーク、マンハッタン生まれ。46年ロバート・ジオドマク監督『殺人者』で映画デビューを果たす。以来スターの地位を獲得。56年は『空中ぶらんこ』でベルリン映画祭最優秀男優賞を受賞し、60年『エルマー・ガントリー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞。ドラマからアクションまで幅広く演じる。63年には『山猫』で堂々たる演技を披露。74年は再びヴィスコンティと組んだ『家族の肖像』で奥深い演技を披露した。その後も様々なタイプの作品で活躍した。94年10月20日逝去。


アラン・ドロン [タンクレディ]
 1935年11月8日フランス、パリ郊外ソー生まれ。イヴ・アレグレ監督「女が事件にからむ時」(57/TV放映)でデビュー。『太陽がいっぱい』(59)でトップ・スターとなり、ヴィスコンティも早速『若者のすべて』(60)で起用。以来、アントニオーニの『太陽はひとりぼっち』(62)や、『地下室のメロディ』(63)などで活躍し、再びヴィスコンティと組んだ『山猫』で評判となりゴールデン・グローブの有望若手男優賞にノミネートされた。70年代から日本でCM出演以外にも多くのヒット作品を放ち、ファンの心をとらえ続けた。


クラウディア・カルディナーレ
[アンジェリカ]

 1939年4月15日チュニジア、チュニス生まれ。57年チュニスで撮影したジャック・バラティエの「Goha」で映画デビュー。マリオ・モニチェッリの傑作泥棒コメディ「I soliti ignoti」(58)にキャスティングされ、一躍スターダムに躍り出る。『若者のすべて』(60)でヴィスコンティ作品に初登場し、『山猫』ではきついコルセットで度々気絶しながらも大役を果たし、健康的な色気を放つ。続いて『熊座の淡き星影』(66)、そして教授の妻役で『家族の肖像』(74)にカメオ出演。『ブーベの恋人』(63)ではナストリ・ダルジェント主演女優賞を受賞している。



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