自閉症の息子を持つ父親は、自分が余命わずかだと知らされたとき、何を考え、何を残していけるのか―? 『海洋天堂』は、なによりも子供の幸せを願う親の深い愛情を描いた感動作。 父ひとり子ひとりで慎ましく生きてきたふたりが、突然直面する厳しい現実。父は自分をうまく表現することができない息子の将来を案じ、ひとりで生きていく術を息子に教えこんでいきます。卵のゆでかた、買い物の仕方、バスの乗り降り、一歩一歩できることから…。そのやりとりはどこかユーモラスであり、慈しみに満ちているからでしょう。本作は優しいぬくもりに溢れています。
また、ふたりと彼らを支えていく隣人や恩人などの存在は、不安を共有し支えあって生きていくという人間生来のやさしさと強さを、私たちの中に甦らせてくれるのです。 父子が共に過ごす限りある穏やかな時間は、ふたりの絆を永遠のものにしていきます。そして最後に、父が息子に残していくものとは? それこそが海洋天堂というある愛の形なのです。爽やかな感動を呼ぶラストの余韻は、いつまでもあなたを包み込んでくれるでしょう。
監督は、日本でも大ヒットした『北京ヴァイオリン』(02)の脚本家シュエ・シャオルー。自身の14年間にわたる自閉症施設でのボランティア活動から脚本を執筆。その脚本を読んで大泣きするほど感動したという国際的アクションスターのジェット・リーが、自身初となるアクションなし、しかもノーギャラでの出演を決意。息子を想う父親役を切々と演じ、演技派としての新境地を切り開きました。
そのジェット・リーの熱い気持ちに続いて、撮影にクリストファー・ドイル、音楽に久石譲など一流のスタッフが集結。また人気アーティスト、ジェイ・チョウがエンディング曲を提供するなど、美しい映像と音楽が映画をいっそう盛り上げます。
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