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■ベルナール・ラップ(監督・脚本)
1945年パリ生まれ。祖父は英国人。《ル・モンド》紙等の記者として国際政治(特にラテン・アメリカ)を専門に活動。76年にTV局の特別取材記者として再び国際政治を担当し、5年間、世界中を取材してまわった。その後、駐在記者として2年間英国滞在。フランスに戻り、フランス2局の看板番組である夜8時のニュース・キャスターを5年間務める。その後、TV番組の制作を始め、今や伝説的な番組となっているシリーズ「イギリス風のお皿」で大成功を収め、セット・ドールTV賞(フランスのエミー賞)も87年に最優秀ジャーナリスト賞、88年に最優秀プレゼンテイター賞、89年に最優秀番組賞と、数々の賞を受賞。

「Characteres」「Jamais sans mon livre」という人気番組を手掛けると共に、20世紀の世界の作家を毎週一人づつ紹介するという世界中でも類を見ないドキュメンタリー番組「今世紀の作家たち un siecle decrivains」で可会と監修を担当。1995年1月1日から始めて2000年の1月1日まで放映し、260人の作家のポートレイトを放映し、高い評価を得た。

また、映画に関わる活動では、6年の年月を費やし、ラルース出版より共同執筆で1万1000本の映画を扱った大辞典を執筆し、絶賛を博した。これによって幾度もプロデューサーたちから、映画監督となる誘いを受け、シナリオなどを執筆。そののち、英国の出版界を描いた『私家版』の原作に出会い、自分が映画化すべき作品はこれだと直感。映画化権をプロデューサーに取得してもらい、自ら脚色。リシャール・モルジエーヴと共同で台詞を書いて、初監督に挑戦した。テレンス・スタンプ、ダニエル・メズギッシュ、マリア・ド・メデイルシュ、ジャン=クロード・ドレフュスといった異色のキャスティングで注目を集める。そして今回、かつて自身のTV番組で取り上げたフィリップ・バランのベストセラーを再び魅惑的なキャストを集めて自ら映画化し、コニャック・スリラー映画祭のグランプリなどを受賞するなど評判となった。

■ジル・トラン(脚本)
1943年6月2日パリ生れ。大学で心理医学を学んだ後、高等師範学校の教員に就任。その後、パリ第7大学の教授となり、児童心理学を教える。執筆なども始め、78年にはフレデリック・コンパン監督の短篇映画「Le grande crue de 1910」で自身の著書を自ら脚色。80年もクレルモン・フェラン短篇映画祭大賞に輝いたコンパンの短篇「Du crime considere comme un des Beaux-Arts」では脚本を担当した。続いてアンドレ・テシネの『海辺のホテルにて』(81)の脚本に参加。その後、10年間は幼児向けアニメの台本を執筆した。 94年、テシネが自らの少年時代を描いた傑作『野性の葦』(94)の共同脚本として監督に招ばれ、見事な成果を残し、セザール賞脚本賞を受賞。以来、脚本家として高い評価を受け、テシネの『夜の子供たち』(96)、『溺れゆく女』(98)を始め、ヴェネツィア映画祭脚本賞を受賞した『ドライクリーニング』(97)、プルースト原作によるラウル・ルイス初の大作『失われた時を求めて〜見出された時〜』(99)といった話題作を次々に手掛け、名監督たちの信頼を得ている。

▼作品
78 : Le grande crue de 1910 (フレデリック・コンパン/短篇/原作も)
80 : Ducrime considere? comme un des Beaux-Arts (フレデリック・コンパン/短篇)
81 : 海辺のホテルにて
83 : Le Mecene (フレデリック・コンパン/短篇)
93 : La porte du ciel(ドニス・グラニエ=ドフェール/TV)
94 : 野生の葦、Freres: La roulette rouge(オリヴィエ・ダアン/TV)
96 : 夜の子供たち
97 : Romaine(アニェス・オバディア/出演のみ)、ドライクリーニング
98 : L'homme est une femme comme les autres (ジャン=ジャック・ジルベルマン/映画祭題「ねじれた愛」)
98 : Dormez je le veux(イレーヌ・ジュアンネ)、溺れゆく女
99 : 失われた時を求めて〜見出された時〜(公開予定)、Augustin,roi du Kung-fu (アンヌ・フォンテーヌ)、Stop (ルドルフ・マルコーニ/短篇)、Underangement considerable (ベルナール・ストラ)
99 : 趣味の問題

■ベルナール・ジロドー(フレデリック・ドゥラモン役)
1947年6月18日ラ・ロシェル生まれ。15歳で海軍に志願し、5年間従軍。この頃からモリエール、ラシーヌらの戯曲を読み、文芸に興味を抱く。帰国後、手職、広告代理店勤務などを経て、地方劇団のスタッフとなる。舞台の端役出演をきっかけに、役者へ転向し、地元の演劇学校で演技とバレエを学ぶ。グルノーブルで舞台出演後、71年パリに出て、コンセルヴァトワールで2年間学び、演技部門の優等賞を得る。

卒業後、ジャック・ファブリ劇団のオーディションを受け、《Pauvre France》の役を獲得。大好評により2年続演となった後、この演技を見たアラン・ドロンの推薦で、『暗黒街のふたり』(73)でのジャン・ギャバンの息子役を与えられ、映画デビュー。79年ヒット作「Et la tendresse... ? bordel!」に主演して脚光を浴び、翌年『恋の邪魔者』『ラ・ブーム』が連続ヒットとなって人気を得ると共に、ドロン主演「未知の戦場」(79)でセザール賞助演賞にノミネート。その後も「お気に入りの息子」(94)、『リディキュール』(96)で同賞の候補となった他、『パッション・ダモーレ』(81)、『ヘカテ』(82)と国外でも活躍し、今回の怪演でコニャック映画祭の男優賞を受賞。

舞台でも高い人気を誇り、ジョルジュ・ウィルソン演出《K2》、アニー・デュペレイ共演《危険な関係》などで評判となり、92年ファニー・アルダン共演《恋のメモランダム》と97年ディドロを演じた《Le Libertin》で共にコミカルな演技を披露してモリエール賞の男優賞候補となり、2000年はディディエ・サンドルと二人舞台《ベケット》に取り組んでいる。

また、89年にTV映画を演出して以来、監督業にも乗りだし、90年は劇場用長編第1作「L'autre」を監督。力作として高く評価され、92年セザール賞第1回監督作品賞の候補になった他、数々の映画賞を受賞。TV映画「L'ete glace」では92年セット・ドールTV賞の監督賞にノミネートされている。96年には18世紀を舞台に描いた長年の企画の映画化『川の流れに』で注目を集めた。

▼主な作品
73 : 暗黒街のふたり
75 : ル・ジタン
76 : ビリティス
79 : 未知の戦場(V)
80 : ラ・ブーム
80 : 恋の邪魔者
81 : パッション・ダモーレ
82 : ヘカテ
84 : サロメの季節、スペシャリスト
85 : 地獄の暗殺司令(V)、狼たちの報酬(V)
87 : キリング・タイム、ペテン師アカデミー(V)
89 : La face de l'orge(監督のみ/TV)
90 : L'autre(監督のみ)、恋路
91 : L'ete glace (監督のみ/TV)
92 : 愛のあとに
92 : 新しい生活(CS放映題)
92 : Transamazonienne(監督のみ/TV記録)
94 : Le fils prefere(ニコル・ガルシア/映画祭題「お気に入りの息子」)
95 : 川のうつろい(監督も)、リディキュール
96 : サン=テグジュペリ/星空への帰還(TV)、女優マルキーズ
97 : TGV (ムサ・トゥーレ/製作も)
98 : Poursuite du vent, La" (ニーナ・コンパネーズ/TVミニシリーズ)
99 : Le double de mamoitie (イヴ・アムルー)、Gouttes d'eau sur pierres brelantes(フランソワ・オゾン/公開予定)

■ジャン=ピエール・ロリ(ニコラ・リヴィエール役)
86年のアンドリュー・レインの米国映画「ジェイク・スピード/熱砂の大冒険」(V)で映画初出演。ENSATTを経て、コンセルヴァトワールで演技を学んだ後、舞台俳優として活動を始め、89年はベルナール・ミュラ演出でミュッセ作《マリアンヌの気紛れ》に出演。その後も、気鋭ブリジット・ジャックを始め、ジャン=ルイ・タマン、ジョルジュ・ヴェルレール、アルレット・テファニーに、ベテランのマルセル・マレシャルらの演出作品に次々と出演。95年はアンドレ・アンジェル演出によるジョン・M.シング作《海に騎りゆく者》のオデオン座での上演で高い評価を得た。

一方、89年フランス革命を描くTVミニシリーズ「Les nuits revolutionnaires」の大役を得て、注目を集めた後、映画にも本格的に出演を始め、ベルギーの監督サミー・パヴェルの「Le passion Van Gogh」でテオ・ヴァン・ゴッホ役、「Le moulin de Daudet」でドーデ役を演じる。リヴェットの大作『ジャンヌ・ダルク/投獄』(93)でアランソン公ジャンを好演してからは、キェシロフスキの『トリコロール/赤の愛』(93)でイレーヌ・ジャコブの恋人役、クロード・ソーテの傑作『とまどい』(94)でエマニュエル・ベアールの仕事仲間、アンドレ・テシネの『溺れゆく女』(98)ではマチュー・アマルリックの兄役を演じた。

▼作品
86 : ジェイク・スピード/熱砂の大冒険 (V)
89 : Les nuits revolutionnaires(シャルル・ブラバン/TVミニシリーズ)
90 : La veillee (サミー・パヴェル)
91 : Le gang destractions (ジョゼ・ダイヤン/TVミニシリーズ)
92 : La passion Van Gogh(サミー・パヴェル)、Jeunes gens (ピエール=ルー・ラジョ)
93 : Le moulin deDaudet(サミー・パヴェル)、ジャンヌ・ダルク/牢獄
94 : トリコロール/赤の愛
95 : とまどい、Un jour,ce soir la (ロラン・ブランジェ/短篇)、La verite est un vilain defaut(ジャン=ポール・ザロメ/TV)
96 : L'insoumise (ナディーヌ・トランティニャン/TV)
97 : Un air si pur... (マルク・アンジェロ)
98 : 溺れゆく女、En plein coeur(ピエール・ジョリヴェ)、Bruits d'amour (ジャック・オメーズギーヌ)、Tapagenocturne(ジェラール・キュク/TV)
99 : 趣味の問題

■フロランス・トマサン(ベアトリス役)
子役として80年代からTV、映画に出演を始め、イタリアでジャコモ・バッティアートの歴史大作「Cellini」(89)、フランチェスカ・コメンチーニの「恋するアナベル」(91)などに出演。また、ヒット作『ミナ』(93)で従妹役を演じるなど、次第に大役を得るようになり、リザ&パトリック・アレサンドランの「Ainsi soient-elles」(95)に続いて、『エリザ』(95)では表題役エリザを演じた。その後も『ボーマルシェ〜フィガロの誕生』(96)、『ドーベルマン』(97)や俊英ジェラール・モルディヤの「Paddy」(99)、マリオン・ヴェルヌーの「Rien afaire」(99)で活躍。今回は紅一点として作品に華を添えた。

▼作品
87 : Un pere et passe (セバスティアン・グラール)
90 : La Seconde(クリストファー・フランク/TV)
91 : Annabelle partagee(フランチェスカ・コメンチーニ/映画祭題「恋するアナベル」)
92 : Catherine Courage(ジャック・エルトー/TV)
93 : Tendre guerre (ダニエル・モラン)、ミナ
94 : Ainsisoient-elles (リザ&パトリック・アレサンドラン)
95 : エリザ、Le masTheotime(フィロメーヌ・エスポジト/TV)
96 : Les victimes (パトリック・グレンペレ)、Des nouvellesdu bon Dieu (ディディエ・ル・ペシュール)、ボーマルシェ〜フィガロの誕生、Vicevertu et viceversa (フランソワ・ロマン/TV)、Calino maneige(ジャン=パトリック・ルベル)
97 :ドーベルマン、Une vie pour une autre (アンリ・エルマン)、L'annonce faite a Marius(アルメル・スブレール)
98 : Le plaisir (et ses petits tracas) (ニコラ・ブフリエフ)、L'ile au bout du monde (アンリ・エレ)
99 : Paddy (ジェラール・モルディヤ)、Rien ? faire(マリオン・ヴェルヌー)、趣味の問題

■シャルル・ベルリング(ルネ・ルセ役)
l958年4月30日仏サン=マンデ生まれ。ブリュッセルの演劇学校IMSASで演技を学ぶ。その後、舞台俳優として活動を始め、ヴァンサン演出《Les derenieres nouvelles de Lapeste》(83)、サイド演出《帰郷》(83)、ソベル演出《Entre chien etloup》(84)と《女房学校》(85)、フランソン演出《Lesvoisins》(86/ヴィナヴェール作)、ラヴェリ演出《民衆》(88)などの話題作に次々と出演。ストラスブールのジャン=ルイ・マルティネリの劇団員として活躍し、ジャン・ユスターシュ監督の映画を舞台化した《ママと娼婦》《猥談》、性転換娼婦を演じたファスビンダー監督作品の舞台化《13月のある年に L'Annee des treizelune》などで主演して絶賛され、96年はコルテス作《ロベルト・ズッコ》も再演。 映画界でも注目されるようになり、94年パスカル・フェランの「死者とのちょっとした取引」でセザール賞若手有望男優賞にノミネート。96年『リディキュール』の主演に抜擢されて一躍脚光を集め、同賞主演賞の候補となり、以後『ドライクリーニング』(97)、『倦怠』(98)と連続ノミネートされるなど、フランス映画界の中心的存在となっている。

▼主な作品
92 : Salt on our Skin (アンドリュー・バーキン)
93 : Couple et amant(ジョン・ルヴォフ)
95 : とまどい、Jules et Jim (ジャンヌ・ラブリュヌ/TV)
96 : リディキュール、ラヴetc.、キュリー夫妻
97 : ドライクリーニング
98 : 愛する者よ、列車に乗れ
98 : Un pont entre deux rives(ジェラール・ドパルデュー&フレッド・オビュルタン)、ストラスブールの見知らぬ人(CS放映題)、倦怠
99 : 趣味の問題
00 : 感傷的な運命(映画祭題)、Stardom (ドニ・アルカン)、Tout lemonde y pense(アンヌ・フォンテーヌ)、Fils de deux meres ou com?die de l'innocence (ラウル・ルイス)

"UNE AFFAIRE DE GOUT"
2000 - France - 35mm - Couleur - 1:1.85 - DTS Dolby
(C) CDP/Le Studio Cannal+/France 3 Cinema/Rhone-Alpes Cinema
配給:クレスト・インターナショナル

監督・脚本:ベルナール・ラップ
製作:カトリーヌ・ドゥサール
製作補:シャンタル・ペラン
脚本:ジル・トラン/ベルナール・ラップ
撮影:ジェラール・ド・バティスタ
音楽:ジャン=フィリップ・グード
美術:フランソワ・コメ
衣装:マルティーヌ・ラパン

出演:ベルナール・ジロドー/ジャン=ピエール・ロリ/フロランス・トマサン/
アルチュス・ド・パンゲルン/シャルル・ベルリング/ジャン=ピエール・レオー




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※フランス語文字は一部英字に当てはめて表記しております。