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〔スタッフ〕
監督・脚本・製作 ババク・パヤミ
製作 マルコ・ミュレール
音楽 マイケル・ガラッソ
原案 モフセン・マフマルバフ
〔出演〕
選挙管理委員 ナシム・アブディ
兵士 シラス・アビディ

監督・脚本・製作 
ババク・パヤミ
 
1966年イランの首都テヘランに生まれる。
幼い頃から映画に興味を持ち、街中の映画館ではロシア、インド、イランの映画を見て、一方イギリスやアメリカの領事館に出かけては、『ピンク・パンサー』シリーズや『タクシー・ドライバー』や『ゴッドファーザー』といった英米の映画を見て、この頃から映画についてもミクスチャーな感覚を身につけていった。
その後カナダへ移住、トロント大学で映画を学ぶ。92年、カナダの若手映画人で構成されるフィルムボードの委員に選ばれ、数本の短編とドキュメンタリーを撮る。98年にイランに帰国、2000年に長編劇映画デビュー作「ワン・モア・デイ」(2001年東京国際映画祭最優秀芸術貢献賞受賞)を発表。 一躍、イランの次世代を担う才能と注目され、二作目の本作で見事、ヴェネチア映画祭で監督賞を獲得した。

1953年、イタリアのローマに生まれる。
評論活動の後、82年より、ペサロ映画祭はじめ、ロッテルダム映画祭、ロカルノ国際映画祭でディレクターを務める。日本を含むアジア映画に関して、ヨーロッパ随一の造詣の深さで知られている。
ここ約3年間は、ベネトン・グループの映画製作ユニットであるファブリカ・シネマのディレクターとしてプロデュースに関わり、1999年には、『ただいま』(チァン・ユァン監督)にアソシエイト・プロデューサーとして参加。その後のプロデュース作品に、『ブラックボード〜背負う人』(サミラ・マフマルバフ監督)『ノーマンズ・ランド』(ダニス・タノヴィッチ監督)などがある。
製作
マルコ・ミュレール
 

音楽
マイケル・ガラッソ
 
 
国際的に知られる作曲家、ヴァイオリニスト。
トニー賞にノミネートされるなど、多数のミュージカル音楽も手がけており、またダンスやヴィジュアル・アートとの共同作業も積極的に行っている。
1981、スイス人監督フランシス・ルセルの「Seuls」で初めて映画音楽を担当。94年にはウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』にテーマ曲を提供。同じくカーウァイ監督の『花様年華』では、頽廃と情熱を感じさせる映像に絡みつくようなメロディで作品のムードを高め、映画のヒットに大きく貢献した。

1957年、テヘランの貧しい下町に生まれる。
当時のパーレビ王政打倒を目指す地下活動に身を投じ獄中生活なども体験したのち、世界を変えうるものは暴力ではなく文化であるという考えから、まず作家として、82年からは映画監督として活動を始める。89年に『サイクリスト』が「すべてのイラン人が見た」と言われるほどの大ヒットを記録、その後も『サラーム・シネマ』『パンと植木鉢』『ギャベ』『サイレンス』『キシュ島の物語』(第三話「ドア」)といった傑作・秀作を発表。2001年五月のカンヌ映画祭でプレミア上映された『カンダハール』は、その年の9.11の米・同時多発テロ以降、世界中で大きな注目を浴び、空前のヒットとなった。
原案
モフセン・マフマルバフ
 

選挙管理委員
ナシム・アブディ
パヤミ監督は、この映画の準備中に、テヘランの大学でジャーナリズムを学んでいたナシムに出会った。すぐさま選挙管理委員のキャラクターにぴったりだと思ったが、ナシムは、ぜったいに映画には出ないと言いはり、パヤミは仕方なくオーディションを行って誰か別の女の子を見つけようとした。しかし、結局、ナシムの他に見つからず、再度、パヤミは彼女に出演交渉。数年越しのラブコールが実ってようやく出演となった。

当初、パヤミ監督は、テヘランで見つけた青年を兵士役として、撮影を始めた。ところが、その青年はどうも役にしっくり合わず、その上、キシュ島の何もない環境にたえられずテヘランへ帰ってしまった。
そんな時に、島のショッピングセンターで見つけたのが、キシュ島に仕事を探しにやってきていた青年アビディだった。背後から聞こえた兵士役そのままの朴訥な声と話し方に、「この声だ!」と直感が働き、去って行こうとするアビディを掴まえ、出演を交渉したという。
兵士
シラス・アビディ