夜の浜辺でひとり

2018年6月16日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

すべてを捨て、港町ハンブルクにやってきた女優ヨンヒ。待ち人は来ない。
月日は流れ、旧友との再会によって女優復帰を考えるようになるのだが…。
キム・ミニが初の栄冠、ベルリン国際映画祭女優賞に輝いた話題作

第67回 ベルリン国際映画祭 主演女優賞(銀熊賞)キム・ミニ受賞

監督・脚本:ホン・サンス 出演:キム・ミニ、ソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ、チョン・ジェヨン、ソン・ソンミ、ムン・ソングン 製作:チョノンサ・フィルム 撮影:キム・ヒョング、パク・ホンニョル 照明:イ・ウィヘン 録音:ソン・イェジン スチルカメラマン:キム・ジニョン 編集:ハム・ソンウォン 音響:キム・ミル 
2017年/韓国/101分/ビスタ/5.1ch/カラー 原題:밤의 해변에서 혼자  英題:On the Beach at Night Alone 日本語字幕:根本理恵 配給:クレストインターナショナル

TRAILER

INTRODUCTION

かつて見たことのないヒロインの魅力に、ベルリン映画祭が最高の賛辞を贈った。

第67回ベルリン国際映画祭で、女優の美しさが全編を支配する作品として話題をさらった『夜の浜辺でひとり』。ポール・ヴァーホーヴェン率いる審査員団から主演女優賞(銀熊賞)を贈られたキム・ミニは、ホン・サンス監督のミューズとして、世界にその存在を印象付けた。

『正しい日 間違えた日』(15)で運命的に出会ったホン・サンスとキム・ミニ。続く『夜の浜辺でひとり』でキム・ミニが見せるのは、儚くも荒々しい美しさを持つ、かつて見たことの無いヒロイン像だ。「女優をこれほど魅力的に撮影する監督は他にはほとんどいない」と激賞されたが、まさに監督との特別な信頼関係から引き出されたと言えるだろう。誰もがその存在感に圧倒されるに違いない。

焦らない、闘わない、無理しない、恋したい――。
だから、覚悟を決めて一歩を踏み出す。

舞台は二つの海岸都市、ハンブルクと江陵(カンヌン)。不倫スキャンダルにより、キャリアを捨て異国に逃げてきたヨンヒ(キム・ミニ)は、訪ねてくると言ったまま姿を見せない恋人を待ちながら、自分の真意が分からずにいる。月日は流れ、韓国へ戻ったヨンヒは、旧友たちと再会したことで女優復帰を考え始める。そしてひとりカンヌンの浜辺を訪れ、意外な方法で自分の心に向き合うことになるのだが……。
未来が見えない中で、自分らしくありたいともがくヨンヒの周囲には、恋人の不在や仕事の空白がブラック・ホールのように広がり、そこにはホン・サンスの繊細な仕掛けが施されている。そんなヨンヒの微妙な心の揺れが多くの現代女性と共鳴し、深い余韻を残すのだ。ここに、ホン・サンスによる比類なき女性賛歌が誕生した。

STORY

女優のヨンヒ(キム・ミニ)は既婚男性との恋に疲れ、キャリアを捨ててドイツのハンブルクにやってきた。ハンブルクに暮らす女友達のジヨン(ソ・ヨンファ)と街を散策し、この外国の街に住む自分を夢想する。韓国から会いにくると言っていた恋人の言葉に期待しながら、今では半信半疑でいる。 そして時は流れ、帰国したヨンヒは東海岸の都市、江陵(カンヌン)を訪れる。先輩のジュニとの約束までの間、映画館を訪れると、昔馴染みのチョンウとミョンスに会う。飲みに行った先で、ヨンヒは皆から魅力的になったと言われる。焼酎とマッコリととめどない会話。どこか乱暴に振る舞うヨンヒを皆は温かく受け止め、ジュニは愛おし気に眺めている。友人たちと話すうちに、ヨンヒは女優復帰することを考え始める。ひとり、ホテル傍の浜辺を訪れ砂浜に横たわるヨンヒ。心配する声に顔を上げると、知り合いの映画スタッフがいる。彼らはヨンヒが付き合っていた映画監督サンウォン(ムン・ソングン)の次回作のロケハンをしていたという。監督もカンヌンに来ていると言われたヨンヒは……。

CAST

キム・ミニ(ヨンヒ)
Kim Minhee
1982年3月1日生まれ。モデルとして活躍したのち、ドラマ「学校2」(99)で女優としてのキャリアをスタート。2012年、宮部みゆきの「火車」を映画化した『火車 HELPLESS』(ピョン・ヨンジュ監督/TV)での演技が称賛され、パク・チャヌク監督の目に留まったことが『お嬢さん』(16)の出演につながったという。『お嬢さん』で青龍映画賞最優秀女優賞、ディレクターズ・カット・アワードの最優秀女優賞を受賞した。ホン・サンス監督とは『正しい日 間違えた日』(15)で初めてタッグを組み、釜山映画評論家協会賞最優秀女優賞を受賞。以降『夜の浜辺でひとり』(17)、『クレアのカメラ』(17)、『それから』(17)に出演し、今やホン・サンス映画には欠かせない新たなるミューズとなった。『夜の浜辺でひとり』では韓国人女優としては初の快挙となる第67回ベルリン国際映画祭主演女優賞(銀熊賞)に輝き、世界にその存在感を示した。最新作は、第68回ベルリン国際映画祭出品のホン・サンス監督作「Grass」(18)。
クォン・ヘヒョ(チョンウ)
Kwon Haehyo
1965年11月6日生まれ。映画、ドラマ、舞台で活躍し続けている名バイプレイヤー。2002年の「冬のソナタ」キム次長役や「私の名前はキム・サムスン」の料理長役で、日本でも韓流ファンに愛される人気者となった。映画では、イ・ヨヌ監督『僕らの青春白書』(14)、オム・テファ監督作『隠された時間』(16)などに出演。また、各地の映画祭で評判を呼んだヨン・サンホ監督の長編アニメーション『我は神なり』(13)に声の出演もしている。ホン・サンス監督作品では、『3人のアンヌ』(12)、『あなた自身とあなたのこと』(F/16)、『夜の浜辺でひとり』(17)がある。『それから』の演技が絶賛され、2017年釜山映画評論家協会賞主演男優賞を受賞。
チョン・ジェヨン(ミョンス)
Jeong Joeyoung
1970年11月21日生まれ。ソウル芸術専門大学演劇科卒業後1990年に映画デビュー。2000年までは本名のチョン・ジヒョンで活動し長い下積みが続いていたが、改名後の『ガン&トークス』(チャン・ジン監督/ 01)のヒットが大きな転機となった。主な出演作は、カン・ウソク監督『シルミド/SILMIDO』(03/青龍映画賞助演男優賞受賞)、同監督『黒く濁る村』(10/青龍映画賞主演男優賞受賞) 、チョン・ビョンギル監督『殺人の告白』(12)、イ・ジェンホ監督『さまよう刃』(14)、イ・ジェギュ監督『王の涙 イ・サンの決断』(14)等。ホン・サンス監督作品では他に、『ソニはご機嫌ななめ』(13)、第68回ロカルノ国際映画祭主演男優賞、韓国映画評論家協会賞主演男優賞受賞の『正しい日 間違えた日』(15)に出演。
『』…日本劇場公開映画   『』(F)…映画祭、特別上映  『』(DVD、VHS)…DVD、VHS発売  『』(TV)…テレビ放映  「」…日本未公開映画

DIRECTOR

監督・脚本:ホン・サンス
Hong Sangsoo
1961年10月25日、ソウルに生まれる。映画制作を韓国中央大学で学んだ後、アメリカに留学し美術を学びながら短編の実験映画を制作。その後滞在したフランスでは、シネマテーク・フランセーズに通い映画鑑賞に没頭した。1996年の長編デビュー作『豚が井戸に落ちた日』が批評家や国際映画祭で絶賛されて以降、22年のキャリアにおいて現在までに22作品の監督作を発表している。男女の恋愛を会話形式で描く独創的なスタイルは、ヨーロッパの批評家や観客に、“韓国のウディ・アレン”、“韓国のゴダール”、“エリック・ロメールの弟子”などと称された。2004年に『女は男の未来だ』が初のカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品となり、翌年『映画館の恋』も同コンペティション部門に出品され、ヨーロッパでの人気は不動のものとなる。2008年以降は、『アバンチュールはパリで』(08)から、『3人のアンヌ』(12)、『ヘウォンの恋愛日記』(13)まで7年連続で作品をカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの3大映画祭に正式出品している。日本では2012年に「ホン・サンス/恋愛についての4つの考察」と題した特集上映が組まれ、そのトークイベントで意気投合した加瀬亮を主演に迎えた『自由が丘で』(14)が生まれた。2015年には、『正しい日 間違えた日』が第68回ロカルノ国際映画祭グランプリと主演男優賞をダブル受賞。主演女優キム・ミニとの不倫スキャンダルを報じられるが、再びキム・ミニとタッグを組んだ『夜の浜辺でひとり』(17)が、第67回ベルリン国際映画祭主演女優賞(銀熊賞)に輝き、以降はキム・ミニを主演に作品を発表し続けている。『それから』は、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に、『クレアのカメラ』も同映画祭のアウト・オブ・コンペティションに正式出品された。最新作「Grass」(18)は第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品されるなど、韓国映画界のみならず世界で最も確立された映画作家の一人である。