ベルリン国際映画祭銀熊(監督)賞受賞!
凛として生きる。過ぎ行く時に逆らわないヒロインの誕生に
全世界が共感し、熱い拍手を送った。
第66回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、銀熊(監督)賞に輝いた『未来よ こんにちは』。
『あの夏の子供たち』、『EDEN/エデン』など瑞々しい感性と柔らかな語り口で、弱冠35歳にしてエリック・ロメールの後継者と称されてきたミア・ハンセン=ラブ監督が今回の主役に据えたのは50代後半の女性。
フランスの大女優イザベル・ユペールを想定して脚本を書いたというだけあって、彼女の魅力が最大限に引き出され、孤独や時の流れをしなやかに受け入れていくヒロインが鮮やかに誕生した。
今、フランスでもっとも注目を集める監督と女優が生み出した、愛に満ちた感動の人間ドラマだ。
パリの高校で哲学を教えているナタリー(イザベル・ユペール)は、同じ哲学教師の夫ハインツ(アンドレ・マルコン)と独立している二人の子供がいる。パリ市内に一人で暮らす母(エディット・スコブ)の介護に追われながらも充実した日々。
ナタリーには、才能を誇れる教え子がいた。彼、ファビアン(ロマン・コリンカ)は、ナタリーの授業で哲学の面白さを知り、教師になった若者。久しぶりに会ったファビアンは、既に教師を辞め、執筆をしながらアナーキスト仲間と活動を共にしていた。
監督、脚本
ミア・ハンセン=ラブ
Mia Hansen-Love
1981年2月5日、パリの5区に生まれる。その名が示す通りに、父方の祖父はデンマークからウィーンを経てきた移民だった。
また、父親はカントからの流れを汲むドイツ観念論派の哲学者、母親はルソー派の哲学者だったことから、
あくまで科学的認識にもとづく真理を尊重する教育を受け、それは映画作家となった現在ももっとも重要視しているものだという。